専業主婦も税金を払うの? 控除制度を学んで夫の負担軽減を

専業主婦といえども税金とは無縁ではありません。収入がない専業主婦でも税金を払うことがありますし、夫の税負担軽減に貢献することもできます。それはどのような場合で、どのような税金に対してなのでしょうか。専業主婦が家計を助けるために知っておきたい税金の基本に加え、夫の減税に役立つ2つの控除制度についてお伝えします。

また、専業主婦がパートやアルバイトで働きに出る場合には、夫の扶養範囲を超えないようにするための注意が必要です。うっかり働き過ぎてしまうと、専業主婦のときに利用できた控除制度を利用できなくなる、社会保険料を自分で支払わなければならなくなるなどの可能性があるからです。そのようなことを避けるための注意点を知り、賢く制度を利用しましょう。

専業主婦が支払う税金ってあるの? 利用できる控除制度は?

専業主婦でも税金を払わなければならないことがあります。それはどのような時かというと、専業主婦になる前の年に一定以上の収入があった場合。個人の収入に対してかかる税金には所得税と住民税がありますが、このとき支払いを求められるのは住民税です。

住民税は前年度の所得に対して課税される仕組みで、前年1~12月の所得をもとに算出され、6月から支払いはじめます。今年収入がない場合でも支払う必要があるため、「払えない」ということにならないよう、事前の準備をしておきましょう。

所得と収入は異なるので、注意が必要です。所得とは、収入から控除額を差し引いた金額のこと。会社員だった場合には、1年間の給与から所得控除を差し引いた金額が所得となります。この控除とは、家庭環境や生活状況に応じて、支払う税金を公平にするために設けられた制度のことです。専業主婦が貢献できる税金の控除制度には、配偶者控除と医療費控除の2種類があります。

・配偶者控除
配偶者控除とは、夫の扶養に入ることで受けられる控除制度です。夫の住民税と所得税の両方に適用されます。妻の年間の所得が38万円以下の場合、夫の所得から一定の金額が差し引かれるため、課税対象額が少なくなります。その結果として夫の納税額が減額される仕組みです。

・医療費控除
医療費控除とは、確定申告をすることにより、家族全員が払った医療費の一部が夫の所得から控除される制度で、医療費を一定額以上払った場合に控除を受けることができます。一定額には2種類あり、ひとつは年間の医療費が10万円を超える場合、もうひとつは所得が200万円未満で年間の医療費が所得総額の5%を超えた額のどちらかです。どちらにしても、控除額は最大で200万円と、控除を受けることができる金額の上限が決まっています。(ただし200万円の控除は、所得税が200万円以上だった場合のみ適用)

控除が認められる医療費に含まれるものは、指定があります。病院での診察や治療代、病院までの交通費、処方された薬代です。病院までの交通費については、原則として電車やバスなどの公共交通機関を利用した場合に限られ、病院の駐車場代やガソリン代は認められていません。

また、美容整形や審美歯科など治療目的ではない医療費も控除の対象外です。診察や治療にかかった費用の領収書や診察明細書は、封筒やファイルなどひとつのところにまとめて保管しておくとよいでしょう。

 

専業主婦が働きはじめる前に知っておきたいポイント

専業主婦をやめ、パートなどで働きはじめると、それまで受けていた控除が適用されなくなる可能性があることをご存じの方は多いと思いますが、その控除が今年から大きく変わりました。今まで収入のある主婦が該当する配偶者控除は、妻の所得が38万円以下の場合でしたが、平成29年度の税制改正を受けて配偶者制度の見直しが行われました。

●配偶者制度の改正について

配偶者制度の改正では、配偶者特別控除が変更になり、その改正は平成30年度から適用されています。主な改正点は2つで、新たに夫の所得額に上限が設けられたことと、妻の収入の上限が引き上げられたことです。

これまでは、妻の年間の所得が38万円以下であれば、夫の所得に関係なく扶養控除を受けることができました。しかし今回の改正で、夫の年間の所得が1000万円を超える場合には扶養控除の適用外となり、段階的に控除額が減額されるようになりました。

具体的には、夫の年間の所得が900万円以下の場合には控除額が満額(38万円)となりますが、所得がそれ以上になると段階的に引き下げられ、1000万円を超えると控除額がゼロになります。つまり、夫の年間の所得が高額(1000万円超)の場合、扶養控除を受けられなくなるということです。

また、妻の年間の所得はこれまで38~76万円とされていましたが、今回の改正で上限が123万円に引き上げられました。パートやアルバイトなどの給与収入にすると、従来は年収103~141万円だったのが、今回の改正で201万6千円までとなります。それに加えて、妻の年収が150万円までは満額の扶養控除が受けられるようになったのも大きな変更点のひとつです。

●社会保険料について

社会保険料とは、健康保険や年金保険の保険料のことで、扶養控除とは別に妻の年収の上限が設けられています。パートやアルバイトによる給与収入が130万年を超えた場合、主婦でも社会保険料を支払わなければならなりません。よく聞く「130万円の壁」です。

年収が130万円を超えていない場合でも、年収106万円以上で、月収8万8千円を超え、週20時間以上働き、勤務先が従業員501人以上の会社の場合には、勤め先の健康保険や厚生年金保険に加入する場合があります。パートやアルバイトで働きに出るときには年収だけでなく、会社の規模にも注意しましょう。

専業主婦として夫の扶養に入るなら控除制度を活用しよう!

専業主婦には専業主婦ならではの税金対策があります。専業主婦になった翌年には、住民税の支払いが求められますので備えておきましょう。配偶者控除では、決められた所得内で働くことにより夫の住民税と所得税を低く抑えることができますし、医療費控除では、一定の金額を支払った場合、確定申告をすれば夫の所得から一定の金額を差し引くことができます。控除制度は難しそうというイメージがあるかもしれませんが、家計の負担を軽減することができますので、しっかりと学び、今後に役立てましょう。